大切な愛犬のご飯はどんなものが良いの?おすすめのおやつはこれ!
家族同様に大事に育てている愛犬には、おいしいだけではなく、安全ご飯を与えたいですよね。しかし、知らずに食べさせてはいけないものを与えていたり、与えすぎていたりすることもあります。犬のご飯は犬種によって与えるほうが良いというものがあるなど、意外と奥が深いものです。犬種によってかかりやすい病気もあるため、それを予防する意味で有効な栄養がある食材を使用しているご飯を与えている家庭もあるのではないでしょうか。愛犬のご飯にぴったりなものを見つけて、いつまでも元気で過ごしてもらえるようにしましょう。この記事では、「犬のご飯にはどのような種類があるのか」「与えてはいけないもの」など、犬のご飯に関する情報を紹介します。
食事は愛犬の健康にも関わる大事なもの!
人間には必要とする栄養素がさまざまありますが、犬にとってもそれは同じです。犬にとって必要な3つの栄養素(3大栄養素)は「タンパク質」「脂肪」「炭水化物」となっています。
- タンパク質
犬は肉食なので、特にタンパク質は重要な栄養素です。タンパク質不足になると体重減少や発育が遅くなる、生体機能の低下などを招くため、体調不良の原因になってしまいます。タンパク質は被毛の発育にも深く関わっている栄養素です。被毛は犬が体温調整を行うために大切な役割をもっているため、特に被毛の生え変わりが激しい夏や冬などはタンパク質をしっかり摂取しなければなりません。だからといって、過剰摂取すると腎臓に負担をかけるので避けましょう。
- 脂肪
脂肪は体温維持や美しく健康な被毛、必須脂肪酸の供給や食べ物の嗜好性アップなどに必要な栄養素です。犬の被毛のツヤがないと感じたときには脂肪不足が原因の1つになっている可能性があります。脂肪不足のときは繁殖能力も低下しやすいです。逆に、過剰摂取すると急性膵臓炎になりやすいので注意しましょう。脂肪は、労働犬以外は16%以下の摂取量で充分です。
- 炭水化物
炭水化物は適切に摂取すれば即効性が期待できるエネルギー源になります。犬にとって炭水化物は必ずしも摂取しなければならないものではありません。しかし、タンパク質のエネルギー源として摂取するためにドッグフードに配合されていることが多いです。
- 水
餌だけではなく、犬にとっては水分をしっかり摂取することも大切なので、毎日新鮮な水を用意する必要があります。犬に1日で必要な水分量は体重1kgあたり約130mlなので、愛犬の体重に合わせて様子を見ながら水を与えるのがおすすめです。
ドッグフードの種類と選び方
犬の餌には主に「ドライフード」「ウェットフード」「セミドライフード」「セミモイストフード」の4種類があります。
- ドライフード
一般的に、ドッグフードといえば、このドライフードを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。犬にとって必要な動物性食品と植物性食品をバランスの良い配合で固め、乾燥したものです。ほかのフードより長く保存しやすいのが特徴です。 - ウェットフード
ドライフードとは逆で、水分を多く含んだやわらかめのものです。缶詰やパウチなどで販売されていることが多いです。 - セミドライフード・セミモイストフード
どちらもドライフードとウェットフードの中間のやわらかさで、水分も多すぎず少なすぎずの量です。
犬は大型・中型・小型と分けられており、体格や年齢に合わせてご飯を選ぶのがおすすめです。もちろん個体差はありますが、体格や年齢によって摂取したほうが良い栄養素があるからです。また、高齢犬になるとドライフードのような硬めのフードは食べにくかったり、消化しにくかったりする場合もあるので、様子を見ながらセミドライフードやセミモイストフード、ウェットフードなどから選択するのも良いでしょう。
ちなみに、大型犬は体格が大きいので丈夫だと考えられがちですが、消化器官が敏感なのでフードによっては胃腸に負担がかかってしまう場合があります。そのため、胃に刺激を与えないものを与えなければなりません。中型犬は犬種にもよりますが、活発に走ったり、遊んだりするのが好きな犬が多いので、高タンパク質で適切な脂質も含むご飯を与えましょう。小型犬は体も小さく、大きめの餌は食べにくいので、小さめにカットされているものがおすすめです。
適切なご飯の回数と量はどれくらい?
「愛犬においしいご飯をたくさん食べて元気に育ってほしい」と願うのは飼い主として自然に感じる感情ではないでしょうか。しかし、与えすぎはかえって愛犬の健康に害をなす結果につながってしまう場合があるので注意が必要です。ご飯の量に関しては、体重に合わせて与えるのが望ましいです。「もっと欲しい」とねだられるとついあげたくなるかもしれませんが、食べすぎると肥満になるケースもあります。
- 生後6カ月頃までの子犬
生後6カ月頃までは、体重に合わせた1日分の量を3、4回に分けて与えます。これは、子犬はまだ胃腸など消化器官の機能が成犬ほどしっかりしておらず、1度にたくさん与えるとおなかを壊してしまったり、吐いたりする原因になるからです。生後6カ月頃からは様子を見ながら食事の回数を減らし、1回の餌の量を増やしてみましょう。 - 成犬(生後1年以上)
生後1年たつと成犬となっており、子犬の頃よりさらに活発です。餌の量は子犬の頃と同じく、体重に合わせて調整します。回数に関しては1日に必要な量を朝と晩に分けて与えることで、きちんと食べきれる場合が多いです。子犬用のフードは成長のためにカロリーも高いので、成犬になったら成犬用フードに切り替える必要があります。子犬用から成犬用に切り替えるタイミングは、小型犬で生後6~9カ月頃、中型犬は生後1年、大型犬は生後18カ月頃が良いといわれています。 - シニア犬(小型・中型犬は8歳以降、大型犬は7歳以降)
シニア犬は運動量も減り、胃腸の働きも低下してくるのでシニア用フードに切り替えるのも良いでしょう。シニア用フードはシニア犬に必要な栄養素も配合されているため、落ちてしまいがちな筋力をサポートします。ご飯を与える回数も、様子を見ながら1日3、4回に分けると胃腸に負担をかけにくいので安心です。
ダメ絶対!犬にとって避けるべき食べ物とは?
犬にとって健康を害する可能性がある食べ物もあります。こちらでは、愛犬の健康を守るために避けるべき食べ物について紹介します。
- 玉ねぎ
玉ねぎは犬が食べると、赤血球に悪影響を受けて貧血になってしまうケースが多いため、手作りのご飯を与えるときには入れないようにしなければなりません。貧血になる食べ物としては、「ニンニク」もあります。どちらも人間がよく使用する食材なので、犬の口に入らないように気をつけましょう。 - チョコレート
チョコレートには「テオブロミン」という成分が含まれています。この「テオブロミン」が代謝を妨げてしまうのです。特に注意すべきなのはダークチョコレートで、摂取量が多い場合、最悪の場合、命に関わることがあります。摂取した際には「吐く」「心臓への影響」「内出血」などの症状が出やすいです。 - 人工甘味料・カフェイン
人工甘味料(特にキシリトール)は人間が過剰摂取した場合でも下痢・膨満感・鼓腸などの症状が出ます。犬は人間より体が小さいため、さらに重い症状が出る可能性があるので注意が必要です。カフェインは有毒というより、人間が摂取したときと似ている症状があらわれます。興奮ぎみになり、いつも以上に活発になりやすいです。 - ブドウやレーズン
ブドウやレーズンは犬にとって有毒で、特にブドウを食べた場合、急性腎不全になる場合があるので避けるべき食べ物です。 - ナッツ
ナッツは喉につまらせる可能性も高く、高脂肪で胃腸に負担をかけてしまいます。また、過剰に摂取すると発熱や歩行不能、嘔吐などの症状があらわれる原因になるので避けるべき食べ物です。ちなみに、高脂肪という意味では揚げ物も避けなければなりません。胃のむかつきや肥満につながるからです。 - 乳製品
子犬の頃は専用ミルクなどもありますが、成犬になると乳製品の消化に必要な酵素の働きが低下します。そのため、乳製品を摂取すると下痢や嘔吐など胃腸の不調につながる可能性があるのです。牛乳やチーズ、クリームなど乳製品は与えないほうが良いでしょう。
人間が食べているものの中には、犬にとって問題がないものもあります。しかし、基本的には、犬のご飯やおやつには人間が食べるものではなく、犬専用のものを与えるほうが無難です。「大丈夫だろう」と思って与えたものが、実は犬にとって有毒な食べ物だったというケースも少なくありません。もし、犬が何かを食べた後、様子がおかしいと感じたときには動物病院に連絡を入れ、様子を見るべきか診察に連れていくべきかを確認するのがおすすめです。
愛犬がご飯を食べない!考えられる4つの原因
健康な犬は食欲も旺盛で、おかわりをねだってくるときもあるのではないでしょうか。しかし、さまざまな原因によって、食欲が落ちてしまう場合があります。考えられる主な原因は「病気」「ストレス」「フードが合わない」「老化」です。
- 病気
病気が原因で食欲が落ちているときは、ほかにもさまざまな変化があります。たとえば、「水を飲まない」「嘔吐」「下痢」「元気がない」などです。嘔吐や下痢をしている場合は、それぞれの色や状態についてチェックし、診察時に伝えることで原因を見つけやすくなります。食欲が落ちていても、ほかは元気で普段通りという場合は2、3日様子を見るのも良いでしょう。ご飯をまったく食べなかったり、体調不良の場合は早期治療が求められるケースもあるので、早めに病院で診てもらうほうが安心です。 - ストレス
環境の変化があったり、飼い主とのコミュニケーションが少なかったりすると、犬はストレスを感じて元気がなくなる場合があります。ストレスが原因で体調不良になる場合もあるので、原因に心当たりがある場合は愛犬と遊ぶ時間をできるだけ増やすなどコミュニケーションをとって、不安や寂しさを解消してあげましょう。 - フードが合わない
体調不良や老化、ストレス以外で考えられる原因は「フードが合っていない」ことです。特に、ドッグフードを切り替えたときやいつもと違うものが入っている場合、「好みに合わなかった」「警戒している」などでご飯を食べ残したりする場合があるのです。また、犬は賢く、1度でもご飯を食べなかったときにおいしいものを出してもらえた場合、それをしっかり覚えています。おいしいものを目当てにわざと食べないときもあるので、そのような場合はご飯を食べるまでほかのおやつなどを与えないようにしましょう。 - 老化
加齢が原因で食べられる量が少しずつ減ることは、シニア犬にとっては珍しいことではありません。運動量が減り、筋力や消化機能も低下するからです。また、味覚や嗅覚、歯や歯茎なども衰えるので食べ物への興味が薄くなったり、今までは喜んで食べていたものも食べなくなったりします。さらに、個体差はありますが、シニア犬は頑固・わがままになる傾向もあるため、食べ物の好き嫌いが以前より激しくなる場合や食べ残しをする場合なども珍しくありません。
対策としては、香りが立つ温めたドッグフードを与えるという方法があります。たとえば、ぬるま湯を少しだけかけたドッグフードは香りが立ち、やわらかくなるのでシニア犬も食べやすいです。また、筋力が落ちているシニア犬にとって、床に置かれた食器からご飯を食べるのは体勢的に辛く感じている場合があります。体高に合わせた食器台を使用するのも1つの方法です。
愛犬のおやつにおすすめなのは?
犬用の市販のおやつは種類も豊富で、さまざまなメーカーから販売されています。しかし、アレルギーがあることを知らずに与えてしまった場合、かゆみ・フケが出たり、湿疹が出たりするときがあります。そのため、できれば、無添加・国産のおやつを選ぶのがおすすめです。日本のペットフードには添加物について使用基準が定められており、パッケージを見れば何が使用されているかがわかるようになっています。添加物も品質保持や栄養の強化という役割があるので、すべてが悪いものだとはいえません。ただ、「より安心して与えられるものを」と考えたときには、自然由来のおやつを選ぶのも良いでしょう。
国産のおやつをおすすめする理由は、海外製のドッグフード・おやつには有害物質が含まれている場合があるからです。実際、海外では犬や猫が市販の餌を食べて命を落とすというニュースが話題になったことがありました。もちろん、すべての海外製のドッグフード・おやつが危険だというわけではありません。しかし、国産のものはペットの安全を考慮した基準をもとに製造しているので、比較的安心して与えられます。
おすすめのおやつとして、自然由来の野菜を乾燥させた「野菜チップス」があります。かぼちゃやニンジン、さつまいもなどほのかに甘味があり、やわらかいので犬にとっても安心して食べられるものです。糖分もあるので、与えすぎないように気をつけましょう。また、「小麦や米、大豆などを使用した犬用ガム」も歯のケアをしながら、おやつも食べられるので人気があります。ジャーキーに関しても無添加のものが販売されています。自然由来のおやつは消費期限が短いため、その点はこまめにチェックしなければなりません。原材料にアレルギーがなければ、このような自然由来のおやつを与えるのも良いのではないでしょうか。
犬の餌代は毎月どれくらい必要?
犬のご飯代は、与えるドッグフードの種類や体格によって変わります。2019年に行われたペット保険会社の調査によると、年間にかかる小型犬のご飯・おやつ代の目安は4万7163円、中型犬は6万2090円、大型犬が11万4914円でした。ドッグフードは各メーカーから販売されているので価格も幅広いです。また、ドライフードよりウェットフードのほうが価格が高い傾向があり、プレミアムフードや動物病院から療養食を購入している場合は、費用もその分高くなります。ご飯はその犬によって好みがあったり、アレルギー対策が必要だったりする場合もあるので、愛犬の様子を見ながら好みや体に合ったものを見つけましょう。
*参照:アニコム損害保険株式会社(https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2019/news_0200331.html)
愛犬のご飯は原材料を要チェック!
非常に種類が多く、愛犬に食べさせたいと感じるドッグフードは数多くあるのではないでしょうか。しかし、好みや体に合う・合わないの問題がある場合、どのドッグフードを選べば良いのか迷ってしまいがちです。そのようなときは、可能であれば無添加のもの・国産のものを選択する条件として入れるのもおすすめです。日本のドッグフードは犬の安全のために厳しい基準が定められており、製造過程もしっかりしているからです。ドライフード・ウェットフードなどがあり、子犬用・シニア犬用なども用意されているので、年齢や体格に合わせて選ぶようにしましょう。自然由来の野菜を使ったおやつもあり、安心して与えられます。人間用の食べ物は犬にとって有害になるものもあるため、注意が必要です。