楽しく遊べると愛犬もニコニコ笑顔に!犬との上手な遊び方を徹底解説!
見ているだけで幸せな気持ちにしてくれる愛犬。最高の癒しを与えてくれる大切な愛犬が健やかな生活を送れているかどうか、飼い主さんたちは日々細やかな心配りをし、たゆまぬ努力を続けていることでしょう。ただ、愛犬の食事やしつけは注目されることが多いテーマなのですが、「遊び」に関してはそれほど強い意識を向けたことがないという飼い主さんも、けっして少数派というわけではなさそうです。しかし、愛犬たちにとって「遊び」は思いのほか重要です。それはパピーにはもちろんのこと、成犬にも、シニア犬になってからも変わりません。そこでこの記事では、愛犬にとっての遊びの意味と重要性や種類、さらには、上手な遊ばせ方と遊ぶ際の注意点などについても合わせて説明します。
どうして遊びは重要?愛犬に遊びが必要な理由
愛犬にとって、なぜ遊びが重要なのでしょう。そして、遊びにはどのような役目があるのでしょうか。
- 遊びってなに?
犬と人間が生活を共にするようになった歴史が長いのは、よく知られているお話です。人間との暮らしの中、そもそも犬たちは能力に合わせて、番犬、狩猟犬、牧羊犬などのような役割を与えられていました。そうした仕事をするうちに、犬たちは生きていく上で必要となるさまざまなことを経験し、学んでいたのです。しかし、現在ではほとんどの犬たちは愛玩用のペットとして暮らしていますよね。そのため、使役犬として活躍していた頃よりも、生きるための学びの場が減ってしまいました。その代わりの役目を果たしてくれるのが「遊び」です。愛犬にとっては遊びとは、生きる上での大切なことを身に付ける機会なのです。 - 社会性やルールの習得
人間がそうであるように、犬にも社会性が必要です。愛犬は遊びを通して社会性を身に付け、飼い主さんや周りの犬たちとの関係を作り上げます。そして、うまく付き合っていくスキルを学ぶのです。パピーは兄弟姉妹犬や親犬にじゃれついて遊びますよね。そうして遊んでいる間に、どのくらいの強で噛みついても問題ないのかという力加減や、どの程度までじゃれついても嫌がられないのかという距離感を体得するのです。飼い主さんとの関係も同様です。何をしたら怒られるのか、どうしたら褒めてもらえるのかなどを学びます。 - 運動能力を育てる
愛犬は飼い主さんや他の犬と遊ぶときに、走り回ったりジャンプしたりと、アクティブに動き回ります。こうした動作を繰り返すうちに、自然と身体能力がアップするのです。パピーの時期にたくさん遊ぶと筋肉がバランスよく発達し、筋力も強くなります。 - メンタルを鍛える
遊びに夢中になっていると、犬同士でぶつかってしまったり、スリップしてバランスを失ってしまったりなど、予想しなかったことも起こります。数々のそんなハプニングを経験していると予期せぬ事態に遭遇しても、パニックに陥ることなく対処できるようになるのです。遊びの中でメンタルが鍛えられ、毎日の暮らしの中で遭遇するストレス要因とも上手に折り合いをつける練習になります。
どんな遊び方がある?どうやって教えればいいの?
愛犬との遊び方は、大きく分けると2種類あります。アクティブに動き回るような体力を使う遊び方と、脳や好奇心を働かせて遊ぶ方法です。それぞれのタイプから代表的な遊び方を紹介します。
- 「取ってこい」遊び
飼い主さんが投げたボールやフリスビーなどを愛犬が走って追いかけ、口にくわえて飼い主さんのところまで届ける遊びです。犬が遊べる広い公園やドッグランで遊べば思い切り走り回ることができるので、かなりの運動量になりますよね。しかし、いきなり遠くまで投げて取りに行かせるのではなく、最初は短い距離からにします。まずは、リードを付けておこなうのもいいですね。投げる対象物はボールでなくても構いません。愛犬が好みそうなおもちゃで、加えやすい形と大きさのものを用意します。愛犬に対象物のニオイを嗅がせてから目の前で対象物を動かします。興味を持って追い始めたら、ほんの少しだけ離れた場所に投げてあげましょう。対象物をくわえたら褒めてあげます。この動作を2~3回リピートし、対象物を追ってくわえたら褒めてもらえることを覚えてもらうのです。くわえたままどこかへ行ってしまいそうになったら、優しくリードで引き寄せます。対象物を飼い主さんに渡せたら、大いに褒めてあげましょう。くわえたまま離そうとしなかったらおやつをあげます。おやつを食べるときに、自然とくわえていた対象物を口から落とすことになりますよね。おやつと対象物を交換できたら褒めてあげると、愛犬は学習します。慣れてきたら徐々に距離を伸ばすことにも挑戦してみましょう。 - ひっぱりっこ遊び
噛みつきたいという欲求も満たしてくれる「ひっぱりっこ」も、愛犬には楽しい遊び方です。ひっぱりっこに使用するおもちゃは、万が一、愛犬が興奮しすぎてしまった場合を考慮して、少し長さのあるものを選ぶのが賢明です。ボールのように丸いおもちゃだと、愛犬が遊びに夢中になりすぎて、つい飼い主さんの手に噛みついてしまうリスクも出てきます。遊び方は、まずおもちゃを動かしながら愛犬を誘うように見せます。すこし高い位置で見せるのも効果的です。愛犬が興味を持ったらひっぱりっこ遊びのスタートです。愛犬が離すのを待ち、口から離したタイミングで「ちょうだい」のコマンドを出します。なかなか離そうとしない場合や、興奮しすぎてしまった場合は、おもちゃを持っている手を持ち替えてクールダウンです。そしておやつをあげて、おもちゃと交換しましょう。おもちゃをひっぱりっこ遊びに慣れてくると、「ちょうだい」のコマンドで離してくれるようになります。愛犬は全身を使って力いっぱい引っ張るので、短時間でも全身運動になります。 - 頭を使った遊び方
頭脳を使った知育遊びもおすすめです。視覚や嗅覚も活用しながら楽しく遊べるので、シニア犬のアンチエイジングにも最適です。例えば「宝探しゲーム」。小さくカットしたフードを住まいの中に点々と隠し、愛犬に探してもらいます。また、ペットボトルにドライフードを入れて遊ばせます。愛犬は、どのようにしたら中からドックフードが出てくるのか考えながら遊ぶので、頭の体操になりますよ。
おもちゃの種類は?どんなものがおすすめ?
市販されている愛犬用のおもちゃには、いろいろな種類があります。ボールのおもちゃは、噛む、転がす、「取ってこい」遊びにと、使用頻度も高そうです。ひっぱりっこ遊びには、ロープ型のおもちゃもあります。噛んで遊ぶこともできる人気のおもちゃです。知育おもちゃで好まれているのは、ドックフードやおやつを仕込んでおいて、頭を使いながら出させるタイプのアイテムでしょうか。その他にも、パズルや音の出るおもちゃなどさまざまです。
おもちゃを選ぶときの注意ですが、簡単に食いちぎられてしまうような柔らかいテクスチャーのものだと、誤飲のリスクが高まります。サイズが小さすぎるアイテムも、間違って飲み込んでしまう危険があります。使用しなくなったタオルなどをおもちゃにしてもいいのですが、愛犬は不要になったタオルと新しいタオルの区別ができません。そのため、タオルは遊んでもいいアイテムだと認識してしまう可能性があるので覚えておきましょう。同様の理由で、生活用品と形が似ているおもちゃを選ぶと、おもちゃではないもので遊んでしまうことも考えられるので注意が必要です。
雨の日はどうする?室内でもOKの遊び方を紹介
室内でも楽しく遊べる方法はたくさんあります。身体を動かす運動系の遊びでは、「ひっぱりっこ」ならば室内でも十分可能でしょう。また、「フットジャンプ」も室内でできる遊びです。フットジャンプは飼い主さんの足を障害物に見立て、愛犬にジャンプで乗り越えさせます。飼い主さんは膝を伸ばして両足を開いた状態で、床の上に座ります。愛犬を足の外側からスタートです。まず、ジャンプして片足を乗り越えて両足の真ん中に立ち、引き続き、ジャンプでもう片方の足も乗り越える遊びです。同じ要領で、愛犬を往復させて遊びましょう。最初はおやつで誘導してあげますが、慣れたら手の合図でもできるようになります。ジャンプで乗り越えると運動になりますが、必ずしもジャンプさせる必要はありません。
好奇心いっぱいの愛犬には、頭や知覚を使った「どっちあて」はいかがでしょうか。まず、愛犬におやつを見せてから目の前で素早く片手の中に隠し、どちらに入っているのか当てさせる遊びです。愛犬が鼻を近づけたほうの手を開いてあげます。正解したら褒めてあげて、おやつを食べさせてあげましょう。隠すスピードを上げると、難易度もアップしますよ。同様に、手の代わりに紙コップを使っておやつを隠し、シャッフルしてから当てさせる遊び方も楽しいです。
道具を使わずにできる遊びには、「かくれんぼ」もあります。ドアやソファーなどの陰に隠れてから愛犬の名前を呼びましょう。近づいてきたら褒めてあげます。遊びに慣れてきたら、だんだんと隠れる場所の難易度を上げていくのもいいでしょう。室内で楽しめる遊びは、シニア犬にもぴったりですね。
遊び方がわからない!初心者はどうする?
愛犬のために遊びが重要だと分かっていても、何をすればいいのか悩んでしまう飼い主さんもいそうです。しかし、深刻に考え込んでしまう必要はありません。散歩をしているときに、遊び的要素を加えてあげるだけでも楽しい遊びになります。公園の入り口にある車止めを使ってジグザグ歩きをしてみたり、スキップしてみたり、花の香りを嗅がせてあげたりすることも、立派な遊びです。おもちゃや道具はなくても、わざわざ特別な場所へ出かけなくても大丈夫です。愛犬との暮らしの中で、遊びに応用できることはたくさんあります。愛犬の年齢や性格にあった遊び方を見つけ、飼い主さんも一緒になって楽しみましょう。
遊びにはストレス発散の役割も!楽しく遊んで心地よい疲労感!
人間と同じように、犬たちもストレスを感じる生き物です。気温、湿度、騒音をはじめとする環境、肉体的な苦痛や空腹感、留守番や飼い主さんの不機嫌さなども、愛犬にとってはストレスとなることがあります。そんなストレスも、一緒に楽しく遊んで身体を動かしたり、頭脳や知覚を使ったりすることで解消につながるのです。また、愛犬は食べることと同じくらい寝るのも大好きです。ぐっすり眠っている無邪気な姿を見ると、起こすのはかわいそうと思ってしまいますよね。
しかし、昼間に長く寝すぎてしまうと夜眠れなくなり、何度も中途覚醒してしまうことも。そんな生活が続くと、運動不足や食欲不振を起こす原因にもなりかねません。夜中に目覚めてしまうと、飼い主さんは寝ているので愛犬はひとりぼっちなので寂しい思いをするだけです。そのため、やはり飼い主さんと同じ時間に睡眠を取れるのが理想です。そこで、昼間はたっぷり遊んで心身共に心地よいレベルで疲れさせてあげて、夜はぐっすり眠れるようにしてあげましょう。
これだけは気を付けて!遊ぶときの注意ポイント!
遊びは愛犬と飼い主さんの双方にとって、楽しくあってほしいもの。飼い主さんは遊んであげているつもりでも、それがコマンドと服従の繰り返しのようになっていると、ストレス解消どころかその逆の結果を生みます。愛犬に遊び方のルールを教えてあげる際には、一度に覚えさせようとさせるとフラストレーションが高まるだけです。あくまで楽しめるレベルに留めましょう。また、愛犬が喜ぶからといって、何度も何度も繰り返すのはよくありません。飽きる前のタイミングで止めることが重要です。
遊ぶときには周囲の環境にも気を配ります。屋外で遊ぶ場合、犬を遊ばせてもいい場所なのかの確認は基本中の基本です。ドッグランなどで遊ぶ場合でも、周りの犬や飼い主さんに気を配り、事故が起こらないように安全対策を徹底させます。室内で遊ぶときは障害物がないかを確かめます。さらに、滑りやすい床の上で遊ぶのも避けましょう。滑って股関節や腰を痛める危険性があります。遊ぶ時間は愛犬の年齢や体調を考慮し、散歩にかける時間を目安に考えるといいでしょう。
たっぷり遊んで健やかに暮らす!
愛犬と一緒に楽しく遊ぶ時間は、飼い主さんの側からしても幸せなひとときにほかならないでしょう。飼い主さんに愛情たっぷりに遊んでもらえることは、愛犬にとって単にうれしいだけではなく、メンタルや身体にも大きなメリットをもたらしてくれます。アクティブに動き回る遊びと、脳を使う遊びを上手に組み合わせて、遊びがワンパターンにならないように工夫してみましょう。愛犬の好みが分かったら、喜んでもらえそうなオリジナルの遊び方も創作してもいいですね。遊び方のレパートリーが広がることで、遊び時間もますます充実しそうです。遊びを通して心身共に健やかさが増し、愛犬との毎日がさらに楽しく、幸せに満ちたものになるのではないでしょうか。