ボルゾイ
もともとロシアン・ウルフハウンドと呼ばれていたボルゾイ。
ウルフハウンドですよ?!狼を捕まえちゃうわけですよ!
たまに街中でも見かけるやたらと大きいボルゾイ。かなり目を引きますよね!
【歴史】
ロシアに古くから住んでいた土着犬と、視覚と俊足を活かして熊などを狩るサイトハウンドとして活躍していたハウンド犬や牧羊犬などを交配させて作出されたと考えられていますが、諸説あり定かではありません。ロシアが原産国です。もともとウサギなどを狩るために活躍していたのですが徐々に大きく改良され、多頭で狼を追い詰めて狩るという貴族の狩りに使われるようになったようです。しかも貴族のみが飼うことを許されたとも言われている大変貴重なワンちゃんだったんです!
1917年のロシア革命時に絶滅の危機に陥りますが、贈答品として海外に贈っていたボルゾイがいたため絶滅を免れました。
狼を狩るためロシアンウルフハウンドと呼ばれていましたが、1936年にボルゾイに改名されました。
【名前の由来】
ボルゾイはロシア語で「俊敏」を意味しています!
【外見的特徴】
- 体高:75~85cm(オス) /68~73cm(メス)
- 体重:35~48kg(オス) / 35~48kg(メス)
- 体格:流線型。立ち上がると2mにもなる。背中は幅広い。腰から臀部にかけてカーブしている。尻尾は付けの位置が低く、被毛も豊富。前脚も後脚もまっすぐ平行。
- 頭部:頭部は長いが幅が狭い。マズルもスカルも首も長い。鼻は大きくて下顎よりも前に突出している。歯の咬み合わせはシザーズ・バイトかピンサーズ・バイト。目は大きく斜めについている。耳は小さく、頭部の後ろの方についていて垂れ耳。
- 被毛:ダブルコートに覆われた大型犬。
【性格】
大きいので一見怖そうにも見えますが、実はとても穏やかでおとなしい性格をしていますよ。大型犬なのにボルゾイを飼いたい飼い主が後を絶たないのその性格のためかもしれません。飼い主に大人しく寄り添ってくれる、そんなワンちゃんです。自分で考えて自分で行動もできるのでとても賢いです。たまに神経質になってしまうこともあるのですが、その性格も含めて可愛がって欲しいですね!基本的にボルゾイは争いは好まず、うまくかわすタイプですのでそういった平和主義なところも大型犬なのに意外に可愛らしいところですよね!
ただハウンドドッグのため、獲物を見つけると突然興奮してしまうこともあるのでそこは注意しなくてはなりません。他の犬を獲物と勘違いしてしまい攻撃的になってしまうこともあるということです。育て方によっては全くもって正反対のいうことのきかないワンちゃんになることもあるのでしつけがうまくできてるかが良くわかってしまう犬でもあります。
【種類】
ボルゾイは被毛のカラーバリエーションがあります!
ブルーとチョコレート色以外であれば、様々なカラーの組み合わせが認められています。
単色だろうがパイドだろうが認められていますぞ!黒い斑点があっても構いません。
日本で一番人気はやはりホワイトベースのボルゾイですね。
【寿命】
一般的に犬は人間よりも寿命は短くなっています。生まれてから1年で犬は人間でいうと高校2~3年生の年齢になっています。そして小型や大型などは関係なく24カ月が人間でいう24歳という考え方が一般的です。その後、人間界換算でおおよそ1年に4歳ずつ歳をとると言われています。
ロビンウィリアムズが主演のジャックという、通常の4倍で歳を重ねてしまう早老症をテーマにした映画がありましたね。つまりあれです。犬はジャックです。
ボルゾイの平均寿命はと言いますと、7〜13歳くらい。
基本的には大型犬に比べて小型犬の方が長生きする傾向があります。
大は小を兼ねると言いますが、寿命に関しては違うみたいですね。
ペット保険会社のアニコム損保による犬種ごとの平均寿命ランキングを参照すると、ランク外でした。
【希少性】
ボルゾイはJKC登録数という意味でいえば少なめなので希少性が高めのワンちゃんと言えます!でも人気犬種なので飼っている方も多いワンちゃんですね!
【飼う時にボルゾイを選ぶポイント】
前提として、フィーリングが合うことが1番ではあると思います。
あだち充先生の「タッチ」と言う漫画のワンシーンで、
「女には母性愛というものがあってだな、時には男の欠陥が強力な武器になることだってあるんだ!」とありますが、まさにこの通り!
欠点があるからこそ可愛い、と言うことも往々にしてあるのです。なので、良いポイントを全て満たさないと悪い犬!だとは思わないようにくれぐれも注意してください。
- 健康状態
健康状態は遺伝することもあるので、親犬に会えるのであればまずは親犬の健康状態を確認してみましょう!
ワンちゃんの健康状態を見る上で、目・鼻・口・耳・体格・尻尾・肛門・被毛・皮膚はチェックした方がいいですぞ!
いくら見た目が可愛くても何か疾患があったり、身体が弱かったりすると飼った後大変な思いをしてしまいます。それでも可愛がってあげられる覚悟があるのであればいいですが、こんなはずじゃなかった・・・とならないようによくチェックしてくださいね!それがお互いのためです。・目
目が透き通っているか、目ヤニは出てないか、見つめあってみて目の中に生命力が宿っているかどうか、逆にあまりにもギラギラしすぎていないか、確認してみてください!反応の早さで臆病なのか活発なのかなどがわかると思います!
・鼻
鼻水が出ていないかは確認してみましょう!また多少の湿り気があることも確認するといいですよ!
・口
口臭はないか、歯茎は綺麗なピンクをしているかの確認をしてください!
・耳
耳の中が変な臭いがしないか、耳垢はないか、耳の中は綺麗なピンク色をしているか、音に反応するかの確認をしてください!
・体格
ボルゾイは筋肉がしっかりしていますので立ち姿をみて四肢でしっかり凛々しく立っているか、肉球がきれいな黒色で弾力があることを確認したり、関節は弱くなさそうか確認です!抱っこした時にずっしりとしっかりしていることも確認してくださいね!
・尻尾
尻尾を振って喜ぶ反応はあるか確認です!
・肛門
肛門をチェックして汚れがないことなどを確認してください!
・被毛
被毛のハリや艶の良さは健康状態を判断する材料となります!
・皮膚
皮膚にかさぶたや湿疹はないかの確認です!皮膚疾患を持っている子犬もいますので!
このように可愛い見た目だけにとらわれず、じっくりみてみてくださいな! - 犬の性格
性格というのは一目じゃなかなかわかりづらいものです。かなり大きくなるけど暴れて聞かん坊になったりしないか心配・・・そんな気持ちもありますよね。でもきちんとしつけて主従関係を結べれば忠誠を尽くしてくれますよ!とは言え、子犬で初対面ではそこまで判断するのは難しいですよね。抱っこして吠え続けたり、噛んだり、あからさまに嫌がる行為がないかどうかは一つの性格の判断になると思います!ただ子犬で初対面であれば犬も警戒することもあるので、慣れれば吠えないのかどうか、もじっくり見定めるといいです!どんなに外見がいいと言っても、内面が凶暴で手がつけられないとなると飼ってから後悔することになりかねないので、買う前に相性をしっかり確認してくださいね! - 親犬について
親犬を見ることによってある程度どんなボルゾイちゃんかを判断することができます。ただ、ペットショップでボルゾイの親犬を直接見ることは難しいのと、そもそもペットショップでボルゾイを見ることは稀です。ブリーダーさんから直接購入するのが手です。 - 伝染病予防ワクチンの接種の有無
ワクチンはいつ、何回打ったらいいか?これは様々な意見があって判断に困ります。が、しかし!生後45~60日前後に最初のワクチンを打っているかどうか、この確認を必ずしてください。重要なのは、引き渡し前にブリーダー段階で必ず1回目のワクチンを接種していることです。まずはここさえきちんと守っていれば感染症で死ぬということはまずないだろうと考えていただいて大丈夫です! - 血統書
血統にこだわる方は、JKC(ジャパンケネルクラブ)が定める血統書の規定に当てはまると間違い無いですね。父や母、その前の祖先が良質な犬であると値段はより上がる傾向があります。いわゆる馬でいうサラブレッドってやつですね!参考までにJKC(ジャパンケネルクラブ)が規定する一般外貌をご紹介します!
高貴な外見で、大型で、細く引き締まり、同時にがっしりしており、ごく僅かに引き伸ばされたような体躯である。通常牝は牡よりも長い。丈夫な骨格構成だが、重量感があるわけではない。骨はどちらかというと平らである。筋肉は引き締まり、よく発達している。特に腿の筋肉が発達しているが、過度ではない。体躯構成と動きの調和が最も重要である。
【育て方のコツ】
ボルゾイはサイトハウンド犬。つまり視覚の能力が抜群に優れているので遠くの獲物にも敏感なんです!とにかく感受性が豊かなことと脚力が素晴らしいので興奮してしまうとなかなか手に負えないことも・・・。ですがそれもきちんとしつけられれば従順ですよ。主従関係を理解させてないという事のきかない子になってしまう可能性があるので要注意です!大きいので暴れたら本当に大変です。
子犬から育てるポイントとして、
社会性の獲得、トイレ練習、お留守番のさせ方
この3つが大切ですね!
- 社会性を獲得させる
ボルゾイは頭がいいのできちんとしつければ良き相棒となります!ですが、感受性が豊かなため逆にしつけもなかなか手こずることも多いです。辛抱強くしつけをできることが重要になってきます!
散歩で他の犬や飼い主以外の人間、またはこの世にある全ての物や音などに慣れさせて、警戒心を少なくしてあげてください!
犬の最初の1年は人間でいう18年に相当するのでそう考えると今後を決定するような重要な時期であることが想像できますよね!子犬の頃から人間の世界での常識として「良い・悪い」の判断ができるように、また一人でも生活ができるように教育することはとても大事です。ケージの中で一通りの生活ができるようにしつけてあげるとその後のしつけも楽になります!ダメな行動が出た時は心を鬼にして無視するのもしつけの一つです。ボルゾイはきちんとしつけられれば興奮しても「待て!」の一言で待つことができます。もし良くない行動が出てしまっても飼い主がきちんと指導すれば「これはダメなんだな」ということを理解できます。吠えるのは飼い主の気を引きたいだけなので、根気強くしつけてあげてくださいね!その代わりよくできたときは思いっきり褒めてあげてくださいね!特にボルゾイは感受性が豊かすぎるゆえに、叱れることをとても嫌います。「褒めて伸ばす」を徹底してください。できなかったときはガミガミ怒らず、できたら褒める、できたらおやつをあげる、という風に考え方をシフトしてください。散歩は社会性を培うためにもっとも有効な手段と言っても過言ではありません!たくさんの人や犬と会わせて社会性を養いましょう! - 上手にお留守番をさせるために
ボルゾイは落ち着いていて頭がいいのでしつけが行き渡っていれば難なくお留守番ができるワンちゃんですよ!正直なところ、例えばいくらお留守番が苦手な犬種だとしても、躾がきちんとされていればお留守番もきちんとできるんです!ボルゾイはきちんとしつけられていないと無駄吠え・無駄噛みが多くなってしまうこともあるので日頃からストレスのない住環境を整えてあげて落ち着いてお留守番ができるようにしてあげてください!お留守番のあとでたくさん遊んであげるととても喜びますのでたくさんお留守番できたことを褒めてあげてくださいね!お留守番に慣れさせるために、子供の頃からケージの中で生活する癖をつける、というのは一つの手です!1人でお留守番の時はなるべくケージに入れて安全性の確保に努めてください!屋根があるケージの方がいいですね!クレートの中でも夜眠れるように訓練するのもいいと思います!そして短時間一人で過ごす、ということを経験させてその時間を徐々に増やしていきましょう!ケージの中に閉じ込めるのはかわいそうと思う方もいるかもしれませんが、もともと犬は狭いところを寝床にしていた習性があるので特に問題ありません!ただボルゾイは超大型犬ですのでケージもかなり大きめの方が良いです。狭いと流石にストレスが溜まってしまいます。番犬としても働けるので、外で飼うこともできますが被毛が多いので夏場は注意が必要です!ただ、分離不安と言って、日頃ベタベタとして甘やかし過ぎていると、一人になった時寂しくて寂しくてお留守番がうまくいかないことがあります。どんなワンちゃんでもずっと長時間一人でというのはとても可哀想ですし、ストレスも溜まってしまいます。ケージは自分にとって部屋であり、とても落ち着く空間だということを認識させるのです!ケージのなかで食事をし、トイレをし、睡眠も取れれば、お留守番の時も静かにケージの中に入れるようになります!そして大人しくしていれば、帰ってきたご主人が可愛がってくれるということを理解させればとてもいい子な犬になると思います!食事も人間と犬は別物であることを学ばせ、言うことをきちんと聞いた時にご飯をあげる、と言うように徹底してくださいね! - トイレの練習
人間でも下のお世話というのはあまりいいものではありません。部屋中に排泄されてはたまったもんではありません!ですのでトイレの躾はなるべく早く始めましょう!基本的に子犬の時に躾けるのが一番いいです。まずは寝床の近くにトイレを設置して覚えさせましょう。最初のうちは失敗することも多いですが、頭ごなしに怒らず、地道に一緒に成長していくつもりで優しく見守りましょう。まずは大きめのトイレシートから練習していくといいでしょう!汚れたままのシートだと失敗しやすいので、綺麗な環境を保ってくださいね!できたら思いっきり褒めてあげてください!ただ、そもそも犬は寝床から遠いところでトイレをしたい生き物なので、なるべくベッドからトイレを離してあげると失敗も減ると思います!また、トイレには起きたあとや遊んだあとが出やすいと言われていますので、飼い主がタイミングを見て誘導してあげるのもいいです!
【遊び方】
ボルゾイは運動量が多くサイトハウンド犬として活躍してきたそんな能力の持ち主!なので運動量が必要です!十分な運動をさせてあげてくださいね!なんたってサイトハウンド犬なので遠くの獲物でも敏感に反応し捕らえることのできる脚力を持っています。最高速度50kmも出るらしいですよ・・・!
ボールを追いかける遊びなどはシンプルですがとても楽しそうに遊んでくれますしドッグランもストレス発散になり無駄吠えも減ると思いますよ!あとは大きなものを引っ張る作業も楽しんでくれます。超大型犬なので暴走しすぎると手に負えなくなってしまうのでこちらのコントロールできる範囲でたくさん遊んでくださいね!
遊びが足りないとストレスが溜まってしまうかもしれないので、散歩の時間を1日2回60分以上したり、家の中でも遊んであげたりと軽く運動をさせてあげてくださいね!
どんな遊びをしようとも主導権はきちんと飼い主が持ってくださいね!そうしないと自分の方が上だと勘違いしてしまい、遊びの主導権が犬になってしまい飼い主が疲れてしまい本末転倒になってしまいます。遊びはメリハリをつけて、ここまで遊んだら終わり、というように時間で区切るのもいいです!
良い関係を築いてくださいね!
おやつをあげたり撫でてあげたりするのもコミュニケーションという意味で素敵な遊びですよ!甘えん坊で人懐っこいので飼い主と触れてコミュニケーションを取ることで幸せな時間を過ごせるのでストレスも減るでしょう!ただ、甘えさせすぎて分離不安にならないように適度な距離感を持って接してあげて下さいね。
褒める時に合わせておやつをあげたり撫でたりしてあげてくださいね!
【お手入れ】
ボルゾイの被毛はまるで羊の毛のようにも、音楽家のヨハンセバスチャンバッハのようにも見える、細く美しい絹のよう!美しい。そして2層のダブルコートです。
寒さにも強いです。アンダーコートは密集していて、オーバーコートは長くてウェーブがかっています。極寒の地でも耐えられるようになっているわけです。換毛期にはかなり毛が抜けます。可能であれば毎日ブラッシングしてあげてください!このように毎日お手入れが必要なものと、定期的に必要なものがあります。
毎日するお手入れ:ブラッシング、目やにのケア、歯磨き
定期的なお手入れ:シャンプー、耳掃除、足裏のケア
【病気】
ボルゾイがかかりやすい病気として以下のものが挙げられます。
網膜形成不全
進行性網膜萎縮症
白内障
甲状腺機能低下症
外耳炎
マラセチア皮膚炎
骨折
胃捻転
股関節形成不全
拡張型心筋症
【価格の相場】
ボルゾイの価格は性別、健康状態、年齢、血統、毛色などによって前後していきます。かなり良い血筋であるなど、特別なものが無い限りはおおよそ15〜40万前後で幅があります。
ペットショップなのかブリーダーから直接なのかによっても値段が前後してきますが、基本的にボルゾイはペットショップではあまり売られていないのでブリーダーさんから買うことになると思います!
年間費用としてはご飯代・医療費・お手入れ用品・トイレ用品でおよそ20〜30万程度です。